外観目視調査・寸法計測
補修設計・補修工事に必要なコンクリート構造物の損傷状況及び現況状況(構造物形状等)の確認を行う。
調査アイテム及び内容
・コンベックス
・クラックスケール
・チョーク
対象構造物に発生したひびわれ位置や幅・長さをスケール並びにクラックスケールで計測し、ひびわれに沿ってチョークで書く作業。
・テストハンマー
コンクリート表面を叩いて内部状況を簡易的に調べるテストハンマー。
・記録用紙
・ボールペン
・カメラ
目視調査で発見した損傷を書き写し、写真撮影をして記録する作業。
・目視調査状況
・クラックスケールにてひ び割れ幅計測状況
・打音検査状況
・構造物の寸法計測状況
現地調査は徒歩や梯子を使用するだけでなく、高所作業車、トンネル点検、橋梁点検車、ゴンドラなどの重機を使用します。
報告書作成
現場調査が終われば報告書作成があります。
現地にて記録してきた損傷及び写真整理をしていきます。
現場に行った人しか分らない事があるので、現場担当者と内業者2人1班で報告書作業をに入ります。
記録用紙を確認しながら内業班に説明するのですが、記録用紙を人に見せて判り易い状態であるのがベストです。
損傷図は、現場で入手した情報をExcel、AOTOCADソフトを使用し報告書としてまとめます。
記録用紙(現場野帳)
損傷写真及び寸法計測状況
鉄筋探査調査
コンクリート内部鉄筋の配筋位置、かぶり厚さ等をコンクリートを傷つずに調査することが出来る。
また、はつり調査やコンクリートコア採取においても内部鉄筋を傷つけない為に行う。
電磁波レーダー法の測定原理と特徴
電磁波をアンテナからコンクリート内部に向けて放射すると、その電磁波がコンクリートと電気的性質の異なる物質(鉄筋・空洞等)との境界線で反射される。
反射された電磁波は受信アンテナにより受信される。
この送信から受信に至るまでの時間により、反射物体までの距離を知ることが出来る。
コンクリート内部の物質の平面的な位置はレーダー本体に内蔵された距離計により位置情報を得ることが出来る。
鉄筋探査状況
上記のようにレーダー本体をコンクリート表面に走らせ鉄筋位置を把握します。
鉄筋探査結果
レーダーにて鉄筋位置と走査位置をチョーキングして写真により記録する。
報告書作成
電磁波レーダに配筋位置及びかぶり厚さのデータを記録してきているのでパソコンへ取り込み、鉄筋位置と走査位置の写真等をAutoCadソフトやExcelを用いてデータを報告書として作成していきます。
鉄筋探査データ位置を表記するソフト
調査位置及びデータまとめ (Excel)
はつり調査
外観目視調査や非破壊調査とは違い、コンクリートの表面を電動のハンマードリル等使いコンクリートを少しはつり取り、内部の鉄筋の状況を確認する調査。鉄筋の位置は鉄筋探査にて確認の上実施します。
調査内容
主に使用する機材
・ブラシ
・ノギス
・コンベックス
・L尺
・スプレー
(フェノールフタレイン溶液入り)
1、はつりにより粉塵及び錆を取り除き腐食度調査を行う。
2、ノギスにて鉄筋径の測定する。
3、コンベックスとL尺を用いて鉄筋かぶりを測定する。
4、コンクリート表面に、フェノールフタレイン溶液を噴霧して、コンクリートの中性化深さを測定する。
5、調査後断面復旧を行う。
報告書作成
内部の鉄筋状況を直接測定し写真にて記録し、Cadソフトにて調査箇所や鉄筋位置図を作図し、Excelにて調査のまとめを作成する。
調査箇所図及び鉄筋位置図
調査まとめ
コンクリートコアによる試験
特殊な機材(コアマシン)を用いてコンクリート構造物から円筒上のコア(塊)を抜き出します。
採取したコア試料は圧縮強度試験・中性化深さ測定・塩化物イオン含有量等の試験に使用します。
コンクリートコア採取道具及び状況
調査箇所に合わせてコンクリート面にコアマシンをアンカーで固定します。
鉄筋探査にてコンクリート内部鉄筋や電配管・水道管等の切断をしないようにします。
コア採取による必要な道具
コア採取状況
下記試験状況ならびに測定状況は協力会社により実施してます。
試験状況
圧縮強度試験
圧縮試験機を使って圧力をかけることによって、コンクリートの圧縮強度を測定します。
試験方法は、JIS A 1108「コンクリートの圧縮強度試験方法」に従う。
中性化試験
中性化とは、コンクリート中の水酸化カルシウムが大気中の二酸化炭素と反応し、炭酸カルシウムに変化することによって起こります。
コンクリートコアによるサンプル採取を行い、中性化の進行状況を調査します。
塩化物イオン含有量試験
コンクリート中の鋼材(鉄筋など)が、塩化物イオンにより腐食・膨張を引き起こし、コンクリートのひび割れや剥離を起こす現象。
試験は、深さ方向の塩化物濃度を分析し、鉄筋の発錆限界である塩化物濃度が、コンクリート部材のどの位置にあるのか、また塩化物による鉄筋腐食がどの程度進行しているかを把握する調査である。
膨張量試験
アルカリ骨材反応の劣化予測に用いられ、調査時から今後どのくらい膨張する可能性があるか(膨張量)を調べる試験である。
報告書作成
採取したコンクリートコアの寸法計測や調査状況を写真に記録してきており、また協力会社からの試験結果をはつり調査と同様に位置図や調査を取りまとめる報告書を作成します。
調査位置図
調査結果
推定圧縮強度試験(シュミットハンマー法)
コンクリートに打撃を加え、返ってきた衝撃の反射の強さを図ることでコンクリートの強度を測定する方法です。コンクリートを破壊しないで強度の測定をする最も簡単な方法です。
測定器の突起部をコンクリートに密着させて押しこんでいくと、あるところでポーンと衝撃がきます。
調査状況及び調査結果
塩分含有量試験(ドリル法)
日本は海岸で囲まれており塩害での劣化現象が顕著である。コンクリート塩害の進みを電動ドリルの削孔粉を用いることで、従来のコアを用いる方法より簡易的に試験を行う方法です。
調査状況及び調査結果
中性化深さ試験(ドリル法)
中性化深さの測定に電動ドリルの削孔粉を用いることで、従来のコアを用いる方法より簡易的に試験を行います。NDIS 3419『ドリル削孔粉を用いたコンクリート構造物の中性化深さ試験方法』として提案されています。
調査状況
不同沈下測定調査
建物の基礎・杭や地盤が、一つの建物の中で場所によって異なる沈下が生じることです。建物にひび割れが生じたり、傾いたりする場合があります。基礎地盤が不均一(地盤の強度不足,空隙の存在,軟弱層の傾斜など)であったり、造成が不十分であったりすることが主な原因で、不同沈下が生じてしまう場合があります。
調査状況
コンクリート内部調査(ファイバースコープ)
ハンマードリルで削孔した後、ファイバースコープで観察する微破壊調査になります。
トンネル覆工厚、道路舗装厚、法面吹付け厚等、土木構造物の内面厚の確認、土木構造物の空洞の確認。
調査状況